運送業の在職証明書|不規則な勤務の書き方

公開 2026年9月22日

目次12項目

乗務員から、在職証明書がほしいと言われる。探すと、前の担当が作ったものが1つ出てくる。勤務時間の欄をどう埋めるかで、そこから手が止まります。

実務では、社内に1つ様式を持っておいて、提出先が様式を指定してきたらそちらを使う形が取られています。運送業でいちばん迷うのは、勤務の時間が日によって変わるところです。

1日の勤務時間をひとつの数字で書くと、実態と合いません。

ポイントはここです。在職証明書は、書き方を社内で1つに決めて控えに残すと、翌年も同じ形で書けます。

ここでは、求められる場面、勤務時間の書き方、収入の扱い、そして事務所に来ない人への渡し方までを順に整理します。

運送業の在職証明書が求められる場面

運送業の在職証明書が求められる場面は、ほかの業種とは偏りが違います。

  • 賃貸の審査在籍期間と収入
  • 住宅ローン雇用の形も見られる
  • 扶養の確認配偶者の勤務先へ
  • 保育園勤務の日数と時間
場面によって、中心になる項目が変わる

そのため、まず本人に用途を聞きます。

法令の義務ではない

在職証明書は、法令に定めのある書類ではありません。会社が任意で発行します。

それでも断るものではない

本人の生活にかかわる手続きで求められることがほとんどです。そのうえで、応じる範囲を社内で1度決めておきます。

運送業の在職証明書で勤務時間をどう書くか

運送業の在職証明書でいちばん迷うのがここです。乗務の時間は日によって変わります。

拘束時間と運転時間、休憩と休息期間。これらは拘束時間管理表に残っています。

所定で書く

  • 1日8時間などの所定
  • 雇用契約の内容に沿う
  • 実態とずれることがある

平均で書く

  • 直近の何か月かの平均
  • 実態に近い
  • 月によって変わる
どちらで書くかを社内で決めて、控えに残す

決めていないと、担当によって答えが変わります。

変形労働時間制を取っている場合

1か月単位の変形労働時間制を取っている会社が多くあります。この場合、その旨を備考に書くと、提出先が読み取れます。

備考の欄を使う

始業と終業が運行によって変わることを、1行書きます。一方で、空欄にすると提出先が判断できません。

決めた書き方を控えに残す

同じ人から翌年も依頼が来ます。そのため、どちらで書いたかを控えに書いておきます。

在職証明書の収入をどう書くか

運送業では、固定給に運行手当や歩合が加わる形が多くあります。

賃貸やローンの審査では、安定して得られる額が見られます。そのため、月額だけを書くのか、直近の何か月かの平均を書くのかで、受け取られ方が変わります。

用途を聞いてから決める

本人に用途を聞いたうえで、賃金台帳から取ります。記憶や本人の申告で書かないのが原則です。

税込みか手取りかを確かめる

提出先によって求められる形が違います。この場合、依頼の受付で確かめます。

何を含めたかを備考に書く

基本給と運行手当の合計なのか、賞与を含むのか。そのうえで、含めた範囲を1行書いておくと、後から問われません。

運送業の在職証明書に書きすぎない

運送業の在職証明書も、本人が第三者に渡す書面です。書いたことは提出先に伝わります。

用途に必要のない情報は書きません。家族の情報、健康に関すること、事故や違反の記録。

  1. 提出先の様式に、その欄があるか はい書く いいえ下へ
  2. 本人がその項目を求めているか はい書く いいえ下へ
  3. 書かないと手続きが進まないか はい本人に確かめてから書く いいえ書かない

欄が無いのに社内の様式で足している項目は、いったん外して考える

書くかどうかの見分け方

事故や違反の記録は書かない

求められていなければ入れません。一方で、本人の不利になる情報を第三者へ渡すことになります。

社外からの問い合わせに線を引く

本人の依頼なしに答える範囲を、社内で決めておきます。決めていないと、電話を受けた人がその場で判断することになります。

在職証明書を不規則な勤務の中で渡す

乗務員は事務所に立ち寄らない日があります。

  1. 1 依頼の用紙を置く 休憩室にも
  2. 2 用途と期限を聞く 提出先には期限がある
  3. 3 記録から写す 台帳と管理表
  4. 4 点呼のときに渡す 確実に会える場面
事務所に来ない前提で、受け渡しの場面を決めておく

事務所まで来ないと依頼できない形にすると、後回しになります。

点呼の場面を使う

対面の点呼があれば、そこが確実に会える場面になります。そのうえで、郵送でも構いません。

交付までの目安を伝える

提出先には期限があります。依頼を受けたときに期限を聞いて、目安を伝えると本人が予定を立てられます。

控えを残す

同じ人から毎年依頼が来ることがあります。前回どう書いたかが分かると、作業が早くなります。

在職証明書の材料をどこから取るか

書く内容は記録から取ります。

労働者名簿

入社の年月日、所属、従事する業務の種類。

出勤簿と拘束時間管理表

勤務の日数と時間。運送業では、ここが日によって変わります。

賃金台帳

直近の給与。何を含めた額かを確かめます。

乗務員台帳

業務の内容。どの車両に乗っているか、どの路線を担当しているか。

在職証明書の手順を1枚にする

件数が読めない業務です。手順が1枚あると、誰が受けても同じ形で回せます。

書くのは5つです。依頼の窓口と様式、材料の置き場所、勤務時間の書き方の決めごと、交付までの目安、控えの保管場所。

勤務時間の決めごとを先頭に書く

いちばん迷うところだからです。所定で書くのか平均で書くのかを、1行で書いておきます。

依頼の用紙を現場にも置く

休憩室や点呼の場所に置いておくと、期限に間に合います。

秋から冬は別の目安にする

保育園の申込みの時期に依頼が重なります。そのため、繁忙期は交付までの目安を長めに伝えます。

運送業の在職証明書を新しい担当に引き継ぐとき

運送業の在職証明書は、決めごとが分かっていないと担当ごとに答えが変わります。

勤務時間の書き方を最初に伝える

所定で書くのか、直近の平均で書くのか。ここがいちばん迷うところです。

前回の控えを見せる

埋まった状態の様式を1枚見せると、完成形が伝わります。説明より早く分かります。

収入に何を含めたかの書き方

基本給と運行手当の合計なのか、賞与を含むのか。そのうえで、含めた範囲を備考に書く形を伝えます。

断らない範囲を伝える

法令の義務ではありませんが、本人の生活にかかわります。この場合、応じる範囲を決めておけば、担当が迷いません。

運送業の在職証明書でよくあるつまずき

実務で起きやすい形を4つ挙げます。

用途を聞かずに書き始める

書く項目が決まりません。そのため、依頼の受付で用途と提出先を聞きます。

提出先の様式があるのに社内の様式で書く

二度手間になります。本人が様式を持っているかを、最初に確かめます。

勤務時間を1日の数字だけで書く

実態と合いません。一方で、備考に1行添えるだけで読み取れる形になります。

期限に間に合わない

提出先には期限があります。この場合、依頼を受けたときに期限を聞いて、目安を伝えます。

運送業の在職証明書を毎年の作業にする

保育園の手続きは、同じ人から毎年依頼が来ます。

前年の控えを開く

変わった欄だけを直せば済みます。所属、勤務時間、収入。この3つだけを見れば、たいていは終わります。

提出先ごとの様式をためる

同じ自治体の様式が毎年来ることがあります。そのうえで、欄の埋め方をそのまま真似できます。

締切をまとめる

依頼を受けるたびに作るより、週に1度まとめて作るほうが早く終わります。とはいえ、提出の期限が近いものは先に出します。

運送業の在職証明書に書く項目

提出先の様式が無い場合は、社内の様式で作ります。

本人の情報

氏名、生年月日、住所。提出先によっては住所が要らないこともあります。

在籍の情報

入社の年月日、所属、役職、雇用の形。契約社員やパートであれば、その旨を書きます。

勤務の情報

1か月の勤務日数、所定の勤務時間、勤務の形。変形労働時間制を取っているなら、その旨を添えます。

収入の情報

直近の給与の額。何を含めた額かを確かめて書きます。

会社の情報

所在地、名称、代表者名、連絡先。社印を押している例が多くあります。

運送業の在職証明書を営業所ごとにそろえる

複数の営業所がある会社では、様式がばらつきやすくなります。

様式を本社でそろえる

営業所ごとに違うと、同じ会社なのに形が変わります。そのため、書き方の決めごとも1枚にして配ります。

勤務時間の書き方を統一する

所定で書くのか平均で書くのか。この場合、営業所によって答えが変わると、後から説明できません。

控えの保管場所を決める

在籍している営業所で保管する形が分かりやすくなります。一方で、異動があった人は前の営業所にも控えが残ります。

転勤した人の在籍期間

同じ会社の中での異動は、通算して書きます。そのうえで、所属は現在のものを書きます。

様式は在職証明書テンプレートからダウンロードできます。退職した人向けは退職証明書、勤務の記録は出勤簿にまとめています。

よくある質問

勤務時間はどう書きますか。

乗務の時間は日によって変わるため、所定の勤務時間で書くか、直近の平均で書くかを社内で決めておきます。どちらで書いたかを控えに残すと、翌年も同じ形で書けます。

歩合を含めた収入を書きますか。

用途によります。賃貸やローンの審査では、安定して得られる額が見られます。月額か平均かを決めて、賃金台帳から取ります。

提出先から様式を渡されました。

そちらを使います。この用紙は、指定が無いときに使う社内の様式です。控えとして残す使い方もできます。

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