点呼は誰がどこまでできるか|対面の原則と例外

公開 2026年8月21日

目次6項目

点呼は対面が原則です。ここまでは誰でも知っています。分からないのは「では、対面できないときはどうするのか」の部分です。

現場には現実的な制約があります。運行管理者は24時間いない。運転者は早朝に出て深夜に戻る。営業所に寄らない運行もある。この制約を、制度はいくつかの形で認めています。

ただし、どれも「勝手にやってよい」ものではありません。要件があり、記録が要ります。ここを整理します。

原則:対面

乗務前と乗務後、運行管理者(または補助者)が運転者と直接向き合って確認します。確認すべき内容は点呼で確認することに整理しています。

以下はすべて、この原則の例外です。例外である以上、条件を満たしているかを説明できる必要があります。

例外1:補助者による点呼

運行管理者が常時いられないため、補助者を選任して点呼の一部を行わせる仕組みがあります。

押さえるべき点は3つです。

  • 補助者は、運行管理者の指導監督のもとで点呼を行う
  • 補助者が行える点呼には割合の上限がある(全部を任せることはできない)
  • 補助者にも要件がある(基礎講習の修了など)

「上限がある」を知らない事業所があります。 実質的に補助者だけで回していると、指摘の対象になります。点呼記録簿の実施者欄を氏名で埋めておけば、月末に割合を数えられます。

補助者は選任の届出が不要な一方、誰を選任しているかは社内で明確にしておく必要があります。選任・届出管理表に区分を分けて記載してください。

例外2:電話その他の方法

運行上やむを得ない場合、電話等による点呼が認められています。直行直帰や、遠隔地での宿泊をともなう運行が典型です。

ここで重要なのは、「やむを得ない場合」であることです。対面できるのに電話で済ませるのは例外の使い方として認められません。

そして、乗務前と乗務後のいずれも対面でできない運行が含まれるなら、運行指示書の作成が必要になります。電話点呼と運行指示書はセットで考えてください。

例外3:IT点呼・遠隔点呼・業務後自動点呼

機器を使った点呼の仕組みが整備されてきています。

概要
IT点呼認定を受けた事業所などで、営業所間・車庫間をIT機器で結んで行う
遠隔点呼要件を満たす機器・システムを用い、離れた場所から行う
業務後自動点呼要件を満たす機器により、乗務後の点呼を自動で行う

この3つは制度が動いている領域です。 要件(機器の性能、事前の手続き、対象となる事業所)が更新されるため、導入を検討する時点で所管の運輸支局に確認してください。ここに書いた区分も、判断の入口として使う程度にとどめてください。

記録に何を残すか

どの方法で行っても、記録すべき内容は変わりません。加えて、実施の方法を必ず書きます。

  • 対面/電話/IT点呼/遠隔点呼 のどれか
  • 誰が実施したか(運行管理者か補助者か、氏名で)
  • 電話等の場合、なぜ対面できなかったか

3つ目が抜けやすい部分です。 「電話」とだけ書いてあると、やむを得ない事情があったのかどうかが読み取れません。備考に一言(宿泊運行のため、直行直帰のため)添えるだけで、記録の説得力が変わります。

迷ったときの順序

  1. 対面でできないか、もう一度考える(時間をずらせば可能なことがある)
  2. できないなら、その理由を明確にする
  3. 電話等で実施し、方法と理由を記録に書く
  4. 乗務前後ともに対面できない運行なら、運行指示書を作る

この順序を社内で共有しておくと、当日の朝に慌てません。

よくある質問

補助者はどのくらいまで点呼できますか。

割合の上限が定められています。運行管理者自身が一定割合以上を行う必要があるため、実質的に補助者だけで回すことはできません。具体的な割合は所管の運輸支局にご確認ください。

IT点呼を導入するには何が必要ですか。

機器・システムの要件と、事業所の要件があります。制度が更新されている領域のため、導入を検討する時点で所管の運輸支局に最新の要件を確認してください。

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