運送業のアルコールチェック|白ナンバーとの違い

公開 2026年8月21日

アルコールチェックについての情報は、ここ数年で一気に増えました。ただし、その多くは白ナンバー(安全運転管理者制度)向けのものです。

運送事業者(緑ナンバー)は、それとは別の枠組みで、以前から検知器による確認が求められています。この違いを押さえておかないと、必要な運用が抜けたり、逆に不要な手続きを調べ回ることになったりします。

2つの枠組みの違い

運送事業者(緑ナンバー)一般企業(白ナンバー)
根拠貨物自動車運送事業輸送安全規則道路交通法施行規則(安全運転管理者)
確認の場面点呼(乗務前・乗務後)運転前後
検知器使用が求められている2023年12月から使用が求められている
記録点呼記録の一部として1年保存1年保存
実施者運行管理者・補助者安全運転管理者

運送事業者にとって重要なのは、アルコールチェックが独立した手続きではなく、点呼の一部だという点です。点呼を行い、その中で酒気帯びの有無を確認します。

記録に何を残すか

点呼記録の酒気帯び欄に「なし」とだけ書いている事業所は少なくありません。しかし、これでは検知器で測ったのか、顔色を見ただけなのかが記録から分かりません。

残すべきなのは次の内容です。

  • 確認の日時
  • 運転者の氏名
  • 測定値(0.00 を含む数値)
  • 検出の有無
  • 使用した検知器が特定できる情報
  • 確認した者の氏名
  • 確認の方法(対面か、それ以外か)

測定値を数値で書く運用にすると、測定していない日が浮かび上がります。「なし」は書けてしまいますが、数値は測らないと書けないからです。

検知器の管理

検知器は、常時有効に保持することが求められています。壊れていない状態を保つ、ということです。

センサーには寿命があり、機種によって使用回数や年数の目安が示されています。期限を過ぎた検知器の測定値は、根拠として弱くなります。

やることは2つです。

  1. どの検知器で測ったかを記録に残す(管理番号を振り、記録簿のヘッダーに書く)
  2. 定期的に動作確認を行い、その記録を別に残す

複数台を運用している事業所では、1台が故障したときにどの記録が影響を受けるかが、管理番号から追えるようになります。

直行直帰・宿泊運行のとき

営業所に立ち寄らない運行では、対面での確認ができません。携帯型の検知器を携行させ、電話等の方法で点呼を行うのが一般的な運用です。

このとき記録に残すのは、測定値だけでなく確認の方法です。対面ではなかったという事実が記録から読み取れないと、後から実態を確認できません。

具体的にどのような方法が認められるかは運用の判断が入るため、所管の運輸支局に確認しておくことをおすすめします。

検出されたときの記録

数値が出たら乗務させない。これは当然として、記録上の扱いも決めておく必要があります。

測定値だけ書いて、その後どうしたかが書かれていない記録が最も困ります。乗務させなかったこと、代替の要員を手配したこと、当該運転者への対応をどうしたか。ここまで書いて初めて、記録として完結します。

備考欄が狭いと、この部分が書かれません。様式を作るときは、備考の幅を広めに取っておくことをおすすめします。

点呼記録と分けるかどうか

測定値まで含めると点呼記録の列が増えるため、アルコールチェックだけ別冊にしている事業所もあります。どちらでも構いませんが、別冊にした場合は日付と運転者名で突き合わせられる形にしておいてください。

点呼記録には「実施」とだけあり、別冊の記録簿が見つからない、という状態が一番まずいことになります。

よくある質問

検知器の種類に指定はありますか。

呼気中のアルコールを検知し、その有無または濃度を示すことができるものとされています。具体的な機種の指定はありません。

記録は点呼記録簿に含めてもよいですか。

含めて構いません。点呼記録の酒気帯び欄に測定値まで記入すれば、別冊は不要です。

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