点呼で確認すること|乗務前・乗務後に何を残すか

公開 2026年8月21日

点呼は、運行管理者が運転者と向き合って行う確認です。形式的な挨拶ではなく、その日の運行を始めてよいかを判断する場です。

判断した以上、判断した記録が残ります。記録の保存期間は1年間です。

乗務前に確認すること

乗務前の点呼で確認するのは、主に次の内容です。

  • 酒気帯びの有無(アルコール検知器を用いて確認する)
  • 疾病、疲労、睡眠不足その他の理由により、安全な運転をすることができないおそれの有無
  • 日常点検の実施状況(点検を運転者が行った場合)
  • 運行の安全を確保するために必要な指示

「体調はどうか」と聞いて「大丈夫です」と返ってくるだけの点呼は、確認としては弱いものです。睡眠時間を具体的に聞く、前日の終業時刻を確認する、といった聞き方に変えると、疲労の兆候が拾えます。

乗務後に確認すること

乗務後は、その日の運行がどうだったかを聞きます。

  • 酒気帯びの有無
  • 乗務した事業用自動車、道路および運行の状況
  • 交替した場合はその運転者に対して行った通告の内容

車両の異常や道路状況の報告は、翌日以降の運行に直結します。「異常なし」で流れがちな部分ですが、ここで拾った情報が、整備の判断や経路変更のきっかけになります。

対面が原則

点呼は対面で行うのが原則です。運行上やむを得ない場合には、電話その他の方法によることが認められていますが、その場合も記録は必要で、実施方法を記録に残します

そして、乗務前と乗務後のいずれも対面でできない運行が含まれる場合は、運行指示書の作成が必要になります。泊まりの運行が発生する事業所では、この判断を配車の段階で行っておくと、当日慌てずに済みます。

記録に残す項目

点呼記録に残すべき主な項目は次のとおりです。

  • 点呼を行った者および受けた者の氏名
  • 乗務した事業用自動車の登録番号など
  • 点呼の日時
  • 点呼の方法
  • 酒気帯びの有無
  • 疾病・疲労・睡眠不足等の状況
  • 日常点検の状況
  • 指示事項
  • その他必要な事項

このうち指示事項の欄が空欄になっている記録が多く見られます。毎日同じ指示になるなら、それは指示ではなく標語です。その日の天候、経路の工事、荷主からの連絡など、その日固有の内容を1行書くだけで、点呼が形式に流れなくなります。

巡回指導で見られる点

指摘が多いのは、点呼を実施していないことよりも、実施した記録が不完全なことです。

  • 乗務後の記録だけが無い日がある
  • 実施者の氏名が入っていない
  • 酒気帯びの欄が「なし」だけで測定値が無い
  • 電話点呼なのに方法の欄が空欄

いずれも、点呼そのものは行われているのに、記録が追いついていないケースです。記録の様式を「1日1行、乗務前と乗務後を同じ行に書く」形にすると、埋まっていない欄がそのまま抜けとして見えるようになります。

補助者を置く場合

運行管理者が24時間常駐できる事業所は多くありません。補助者を選任して点呼の一部を行わせる仕組みがあります。この場合も、誰が点呼を行ったかが記録から分かる必要があります。

実施者の欄を氏名の記入式にしておくと、誰の点呼だったかが後から追えます。押印だけの運用は、印影が同じになりがちで判別が難しくなります。

よくある質問

点呼は何分くらいかけるものですか。

時間の定めはありません。確認すべき事項を確認できているかが基準です。ただし、複数名を一度に集めて一斉に行う方法では、個々の状態の確認になりません。

運行管理者が不在の時間帯の点呼はどうすればよいですか。

補助者を選任して行わせる方法があります。選任の要件や実施できる範囲については、所管の運輸支局にご確認ください。

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