運送業の書類は何年保存するのか|1年・3年の切り分け

公開 2026年8月21日

運送事業者が作る書類は、種類によって保存すべき期間が違います。ほとんどが1年ですが、いくつかは3年です。この「ほとんど1年、たまに3年」という状態が、実務では一番厄介です。

まとめて1年で処分してしまうと、3年保存すべきものまで消えます。逆に全部3年にすると、書庫が持ちません。

主な書類と保存期間

書類保存期間根拠
乗務等の記録(運転日報)1年貨物自動車運送事業輸送安全規則 第8条
点呼の記録1年同 第7条
運行指示書1年同 第9条の3
運行記録計の記録1年同 第9条
事故の記録3年同 第9条の2
乗務員台帳運転者でなくなった日から3年同 第9条の5
運転者に対する指導・監督の記録3年同 第10条
点検整備記録簿(事業用自動車)1年道路運送車両法 第49条

数字だけ見ると単純ですが、実務では次の3つでつまずきます。

落とし穴1:事故の日の日報が先に消える

事故の記録は3年、運転日報は1年です。事故から2年後に経緯を確認しようとすると、記録は残っているのに、その日の運行実績を示す日報が処分済み、ということが起こります。

対策は単純で、事故の記録に関係書類の写しを添えて一緒に保管することです。事故報告書の綴りに、その日の運転日報と点呼記録の写しを入れておけば、3年後にも経緯が追えます。

落とし穴2:乗務員台帳の起算日

乗務員台帳は「作成から3年」ではありません。運転者でなくなった日から3年です。在職10年の運転者なら、実質13年分を保持することになります。

退職者の台帳を退職の翌年にまとめて処分してしまうと、期間が足りません。台帳に退職日を明記し、処分可能な年を書き添えておくと安全です。

落とし穴3:電子で持っているつもりが残っていない

Excelで日報を作っている事業所で起きやすいのが、上書き保存です。同じファイルを毎月使い回していると、先月分が残りません。

年月をファイル名に入れ、月が変わったら別名で保存する運用にしてください。フォルダを年ごとに分けておけば、1年を過ぎたものの処分も、フォルダ単位で判断できます。

保存の起算日はいつか

多くの記録は作成日を起点にします。ただし、月単位でまとめている書類(1か月分を1枚にしている日報など)は、その月の最終日を起点にすると考えておくと安全側になります。

月の1日分だけを見て「1年経った」と判断すると、同じ用紙に載っている月末分がまだ1年に達していない、ということが起こります。

処分するときの注意

保存期間を過ぎた書類には、運転者の氏名や住所といった個人情報が含まれます。そのまま可燃ごみに出すのではなく、溶解処理や裁断のうえで処分してください。乗務員台帳は特に情報の密度が高いため、扱いを分けておくことをおすすめします。

まずやること

保存期間の一覧を、書庫の扉に貼ってください。書類を綴じる人と処分する人が別なら、なおさら効きます。「何年か分からないから残しておく」が積み重なった書庫は、いざ探すときに何も見つかりません。

よくある質問

電子データでの保存は認められますか。

記録の作成・保存を電磁的方法で行うことは可能とされていますが、改ざん防止など運用上の要件があります。具体的な取り扱いは所管の運輸支局にご確認ください。

保存期間を過ぎた書類は必ず処分すべきですか。

処分の義務があるわけではありません。ただし個人情報を含むため、必要がなくなった段階で適切に処分する方が管理上は安全です。

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