事故報告が必要な事故とは|報告書と速報の切り分け

公開 2026年8月21日

目次5項目

事故が起きたとき、多くの事業者が迷うのが「これは報告が要る事故か」です。

よくある誤解が2つあります。

  • 「物損だけなら報告は要らない」 … 誤りです。人身でなくても対象になる事故があります
  • 「報告書を出せば足りる」 … 特に重大なものは、それとは別に速報が要ります

ここを間違えると、報告義務違反として扱われます。判断に迷ったら報告する方向で動くのが安全です。

3つの記録は別物

まず整理が必要です。同じ事故について、3つの違う書類が動きます。

何のため相手期限
速報特に重大な事故を直ちに知らせる運輸支局(電話等)24時間以内が目安
事故報告書定められた事故の詳細を報告する国土交通大臣(運輸支局経由)30日以内
社内の事故記録自社で原因分析と再発防止をする自社(営業所に保存)3年間保存

3つ目は報告の有無にかかわらず作成・保存が求められます。報告対象でなかった事故も、社内記録は残してください。

報告が必要になる事故の型

自動車事故報告規則に、報告を要する事故が列挙されています。代表的な型は次のとおりです。

  • 転覆・転落・火災、鉄道車両との衝突
  • 死者または重傷者が出た事故
  • 一定数以上の負傷者が出た事故
  • 危険物等の漏えいをともなう事故
  • 車輪の脱落、積載物の落下
  • 自動車の装置の故障により運行できなくなった場合
  • 運転者の疾病により運行を継続できなくなった場合
  • 救護義務違反があった場合

下2つが見落とされます。 人身事故でなくても、車両故障で運行不能になった場合や、運転者が体調不良で運転を続けられなくなった場合が対象に含まれます。

「事故」という言葉から連想するものと、規則が対象にするものがずれている、と覚えておいてください。

速報が要る場合

報告書とは別に、直ちに電話等で知らせる必要がある事故があります。死者や重傷者が一定数以上出た場合、危険物にかかわる場合などです。

速報は「まず知らせる」ためのもので、詳細は後から報告書で出します。速報を出したから報告書が不要になるわけではありません。

判断に迷ったら

事故の直後は情報が揃っていません。負傷の程度が後から変わることもあります。

現実的な手順は次のとおりです。

  1. 現場の対応(救護・警察への届出)を最優先する
  2. 落ち着いたら、所管の運輸支局に電話して該当するか確認する
  3. 該当するなら、期限から逆算して準備する

確認したこと自体を記録に残してください。 社内の事故記録に「行政報告の要否」の欄を設けているのは、この確認を忘れないためです。確認した日と担当者名まで書いておけば、後から「判断した経緯」を説明できます。

事故の後に動くもの

報告だけで終わりません。運転者に対して特定診断の受診が必要になる場合があります。事故惹起運転者への特別な指導も、乗務員教育記録簿に区分を分けて記録します。

事故報告書を書いたら、受診管理表と教育記録簿にも行を足す。この3点セットで動かすと、後から漏れが出ません。

よくある質問

重傷の定義は何ですか。

規則で定義されています。治療期間や入院の有無が基準になりますが、診断書の内容によって判断が変わることがあります。該当するか迷う場合は所管の運輸支局にご確認ください。

報告書は何通提出しますか。

規則では所定の部数を運輸支局経由で提出することとされています。提出先と部数は所管の運輸支局にご確認ください。

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