車を1台入れ替えるとき何が動くか|増車・減車の手続き
公開 2026年8月21日
車を1台入れ替える。それだけのことに、7つの作業がぶら下がっています。
慣れている担当者は順番を覚えていますが、その人が辞めると止まります。ここでは全体の流れを1枚に整理します。
なお手続きの詳細と要否は事業の状況によって変わります。着手前に所管の運輸支局に確認してください。
前提:3つの制約を先に確認する
車を増やすとき、車両そのものより先に見るべきものが3つあります。
| 制約 | 見ること |
|---|---|
| 車庫の収容能力 | 増えた車が入るか。足りなければ車庫の変更手続きが先 |
| 運行管理者の人数 | 車両数に応じた選任が必要。基準をまたぐと増員が要る |
| 整備管理者 | 選任の要否と要件 |
この3つを確認せずに車を買うと、届出が通りません。 特に運行管理者の人数は、増車で基準をまたぐことがあります。選任・届出管理表で現在の選任状況を確認してから動いてください。
手続きの順序
- 事業計画の変更(増車・減車は事業計画にかかわる。届出または認可)
- 事業用自動車等連絡書の交付を受ける(運輸支局で経由印)
- 登録(連絡書を持って、緑ナンバーの取得・返納)
- 自賠責・任意保険の手続き
- 車両管理台帳に追加/状態を更新
- 点検整備記録簿を新設(新車・中古車とも)
- タコグラフ等の装着(対象車両なら)と記録整理表への追加
5〜7が抜けます。 行政の手続きが終わると「終わった」と思ってしまうためです。しかし社内の記録が更新されていないと、その車は管理の対象外のまま走ることになります。
減車・売却のとき
増車より抜けやすいのが減車です。
- 登録の抹消・ナンバーの返納
- 保険の解約・車両入替
- 台帳を削除しない(状態を「売却済」にして履歴を残す)
- 点検整備記録簿の控えを取る(車両と一緒に渡す場合)
- タコグラフのデータを吸い出してから手放す
最後の2つが最重要です。 車を渡してしまうと、記録が取り戻せません。デジタコのデータは車載器やクラウドの契約に紐づいているため、契約を切ると消えることがあります。
入れ替え(増車+減車)は同時に動く
実務で最も多いのが入れ替えです。古い車を出して新しい車を入れる。 このとき、増車と減車の手続きが並行します。
日程がずれると、一時的に台数が増えたり減ったりします。車庫の収容能力に余裕がない場合、この重複期間に注意してください。
記録に残しておくこと
選任・届出管理表に、車両ごとの連絡書の提出日を残してください。車両番号とセットで書いておけば、後から「この車のときに何を出したか」が辿れます。
車両管理台帳の備考にも同じ日付を書いておくと、台帳側からも追えます。二重に見えますが、探す入口が2つある方が実務では速いです。
チェックリストにする
7つの作業を、社内のチェックリストにしてください。担当者が変わっても回ります。
「行政の手続き」と「社内の記録更新」を分けて書くのが要点です。前者だけのリストになっていると、後者が毎回抜けます。
よくある質問
増車は届出ですか、認可ですか。
事業の状況によって扱いが異なります。増車の規模や事業者の状況によって認可が必要になる場合があるため、着手前に所管の運輸支局にご確認ください。
リース車両でも同じ手続きですか。
事業用自動車として使用する以上、手続きは同様に必要です。台帳の備考にリース会社名と契約満了日を書いておくと、返却時期の管理にも使えます。