運送業向け 荷待ち時間記録簿テンプレート
荷待ちは、記録すると数字になります。数字になると、はじめて交渉の材料になります。
一定規模以上の車両については、荷主都合の待機が発生したとき、その情報を乗務等の記録に残す必要があります。ただ、日報の1行に書き込むだけでは、荷主ごとにどれだけ待たされているかは見えません。
このテンプレートは日報とは別に、荷待ちだけを抜き出して積み上げる表です。3か月ためると、待たせている取引先がはっきり出ます。
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このテンプレートは誰向けですか
- 荷待ち時間の記録が必要になった事業者の方
- 荷主との交渉に使える材料を集めたい方
- 待機の実態を数字で示したい方
どのような場面で使いますか
荷待ちや荷役が発生したときに記入します。積み重ねた記録は、条件の見直しを申し入れるときの根拠になります。
含まれる項目
このテンプレートには、次の項目が入っています。不要な項目は削除して構いません。
- 日付
- 運転者
- 車両番号
- 荷主名
- 場所
- 区分
- 到着
- 作業開始
- 作業終了
- 出発
- 待機時間
- 荷役時間
- 待機の理由
Excel画面のプレビュー
実際のファイルの記入例シートです。
| 荷待ち時間記録簿 【記入例】 | ||||||||||||
| 事業所名 | ○○運輸株式会社 東京営業所 | |||||||||||
| 年月 | 2026年8月 | |||||||||||
| 日付 | 運転者 | 車両番号 | 荷主名 | 場所 | 区分 | 到着 | 作業 開始 | 作業 終了 | 出発 | 待機 時間 | 荷役 時間 | 待機の理由 |
| 8/3 | 山田 太郎 | 品川100か12-34 | ○○商事 | 川崎第2倉庫 | 積込 | 7:40 | 8:20 | 9:10 | 9:20 | 0:40 | 0:50 | 前の車両の荷役待ち |
| 8/4 | 山田 太郎 | 品川100か12-34 | △△物流 | 大宮センター | 積込 | 7:30 | 9:15 | 10:05 | 10:15 | 1:45 | 0:50 | 入場ゲートの順番待ち |
| 8/5 | 鈴木 次郎 | 品川100か56-78 | ○○商事 | 横浜倉庫 | 荷卸 | 12:10 | 12:20 | 13:00 | 13:05 | 0:10 | 0:40 | |
| 8/6 | 山田 太郎 | 品川100か12-34 | △△物流 | 大宮センター | 積込 | 7:35 | 8:25 | 9:15 | 9:25 | 0:50 | 0:50 | 検品待ち |
ファイル形式
| 形式 | Excel(.xlsx) / PDF(印刷用) |
|---|---|
| 対応 | Microsoft Excel 2016以降 / Googleスプレッドシート / LibreOffice Calc |
| 用紙 | A4に収まるよう印刷範囲を設定済み |
| シート | 説明 / 記入用 / 記入例 / A4印刷用 |
| マクロ | 使用していません |
| ファイルサイズ | Excel 約 14 KB |
| 更新日 | 2026年8月21日 |
| 利用料 | 無料(会員登録は不要です) |
入力方法
- 上部の基本情報を埋めます。事業所名・年月などの欄を先に入れてください。
- 使わない列を削除します。自社で記入しない項目は、残しておくと空欄が並ぶだけになります。
- 1行に1件ずつ記入します。記入例シートを見ながら書くと、書き方が揃います。
- 気づいたことは備考に残します。後から見返したときに、数字だけでは分からない事情が伝わります。
- 区切りのよいところでファイルを分けて保存します。月ごと・工事ごとに分けると、後から探せます。
カスタマイズ方法
- 項目の追加・削除は自由です。ロックはかけていないため、自社の運用に合わせて変更できます。
- 提出先から様式の指定がある場合は、指定された様式が優先されます。この様式は、指定が無い場面や下書きとしてお使いください。
- 会社名やロゴを入れる場合は、ヘッダーの行に足してください。印刷範囲は自動で調整されます。
- A4印刷用シートは、手書きで記入する前提で行を高くしてあります。列を増やしたときは、印刷範囲の確認をおすすめします。
利用上の注意
- 貨物自動車運送事業輸送安全規則は、車両総重量が一定以上の事業用自動車について、荷主の都合により待機した場合の場所・到着時刻・待機終了時刻等を乗務等の記録に記載することを求めています。
- このテンプレートは、法令が求める記載事項と、実務で求められることが多い項目を整理した参考様式です。特定の団体が定めた様式そのものではありません。
- 提出先から様式や記載事項の指定がある場合は、そちらが優先されます。
- 法令の要件や金額の基準は改正で変わることがあります。判断の前に、所管の官庁等で最新の内容をご確認ください。
書き方と運用のポイント
荷待ち時間記録簿に書く4つの時刻
書くのは4つの時刻です。
| 時刻 | 意味 |
|---|---|
| 到着 | 荷主の指定場所に着いた時刻 |
| 作業開始 | 荷積・荷卸を始めた時刻 |
| 作業終了 | 荷積・荷卸を終えた時刻 |
| 出発 | その場所を出た時刻 |
待機時間=作業開始 − 到着。荷役時間=作業終了 − 作業開始。この2つを分けないと、「待たされた」のか「作業に時間がかかった」のかが区別できません。対策がまったく変わります。
荷待ち時間を荷主別に集計する
月末に荷主名で並べ替えて、待機時間を合計してください。1件あたりの平均待機時間が出ます。
- 平均30分以内 … 通常の範囲
- 平均1時間超 … 改善を申し入れる材料になる
- 平均2時間超 … 運行計画そのものを組み直す必要がある
数字がないまま「いつも待たされる」と言っても話が進みません。「御社は8月に12回、平均1時間47分」と言えると、話が変わります。
荷待ち時間が拘束時間に与える影響
荷待ちは拘束時間に含まれます。待機が長い日は、労働時間が短くても拘束時間が上限に近づきます。拘束時間管理表と合わせて見てください。
荷待ち時間記録簿は誰が書くか
運転者が現場で書きます。あとから思い出して書くと、待機時間は必ず短く丸まります。スマートフォンのメモでも構わないので、その場で時刻を控える運用にしてください。
荷待ちの数字を荷主交渉に使うときの出し方
数字を出すときは、主観の言葉を混ぜないでください。
- ×「御社はいつも待たせる」
- ○「8月は12回うかがい、平均待機は1時間47分でした。他社様の平均は38分です」
比較対象を持っている点が効きます。自社の他の荷主の平均を並べると、「うちだけ長い」ことが相手にも見えます。
出すのは3か月分です。1か月では「たまたま忙しかった」で流されます。
荷主に何を求めるか
待機を減らす方法は、荷主側に3つあります。求めるものを決めてから話してください。
- 予約時間枠の設定(到着時刻を分散させる)
- バースの増設・運用改善(構内の詰まりを解消する)
- 待機料の支払い(減らせないなら対価をもらう)
1が最も実現しやすく、3は契約の話になります。いきなり3を出すと交渉が止まります。
荷待ち時間の記録を社内で使う
同じ荷主でも、担当する運転者によって待機時間が違うことがあります。到着が早すぎて順番待ちの列に並んでいる、という場合です。
記録を運転者別にも見て、到着時刻を30分ずらすだけで解決するなら、それは配車の調整で済みます。
よくある質問
すべての車両で記録が必要ですか。
車両総重量等による適用の範囲があります。自社の車両が対象かどうかは所管の運輸支局にご確認ください。対象外でも、条件交渉の材料として記録している事業者は多くあります。
日報に書けば、この表は不要ですか。
法令上の記録としては日報への記載で足ります。この表は荷主別に集計して交渉に使うためのものです。